平成22年第1回議会 質問原稿

会派 みどりの風

大條 雅久

会派 みどりの風 代表の大條雅久です。

代表質問も4会派目となると、質問内容に重複するものがあります。予定質問から少し「切り口」を変えてお聞きしますが、通告の範囲内と思いますのでご答弁よろしくお願いいたします。

平成22年最初の議会質問ですので、佐々木市長の施政方針の中から質問のキーワードをいただきました。

言葉は同じでも、その解釈や切り口が私と市長では異なるかもしれません。もし異なるものがあるならそれは、それぞれの立場の違い、情報の違いといったものによるのでしょう。しかし、生まれ育ったまち・新居浜市への熱い思いは同じかと存じます。

まずは新居浜市の「まちおこしのベクトル」・・・つまりは力の入れる方向といえばよいでしょうか・・・

その方向をどのように位置づければ「新居浜市のまちおこし」の

効果・効率に最大の貢献が出来るのでしょうか・・・「まちおこし」に効果・効率という言葉は不似合いかもしれませんが、市民一人ひとりの心に寄り添いながらかつ広域な範囲つまりは日本国内のみならず国外へも興味深いメッセージを発信することを『まちおこしの成果目標』に数えておきたいと考えています。

(1)近代化産業ロマンの息づくまちづくり

まちおこしのベクトル

300年の別子銅山の歴史

そこで「近代化産業ロマンの息づくまちづくり」、三百年の歴史を数える別子銅山の産業遺構への注目です。

元禄4年(西暦1691年)開抗以来、約280年にわたり銅の採掘を続けた別子銅山は新居浜市周辺の地域産業の基盤を形成すると同時に、江戸時代においては長崎貿易の決済産物として、そして明治維新以降は日本の産業の近代化の礎として日本の国を支えた大きな存在です。この場で改めて私が語るまでもなく皆様周知の事柄ですが、あえて申し添えたいのは産業革命以降の産業の近代化は、先行した欧米諸国はもちろん日本にとっても国の経済力が豊かになると同時に『公害』による国民生活の危機も引き起こしました。

近代化・工業化と公害の発生

公害との戦い

その公害を真っ先に体験し、公害克服の先頭に立たされたのが旧別子山を含む新居浜市であり足尾銅山を初めとする鉱山群です。

先の議会質問でも同様に申し上げましたが、新居浜は明治維新後の日本の近代化の基礎を支えた民衆の生活と産業の現場が目に見える形で、手に触れる形でまとまって残っている街です。

NHKの『竜馬伝』や『坂の上の雲』の放映により注目を集めるであろう「日本の近代化の歩み」をきちんと学習できる場は、新居浜にある別子銅山産業遺構群だ!との情報発信は行政のみならず多くの市民が独自の手法や手段によってこれまでも行ってきました。

県立新居浜南高校情報科学部の生徒さんたちの10年にもなる活動はもちろん、それ以前の古くからの市民有志の活動が数々あります。

百年を超える植林の歴史

新居浜のシンボル

東平ゾーン、銅山自然の家

しかし、国外や国内に広く喧伝すると同時に

新居浜に住む子どもたちや大人自身が「まだまだ知らない」「理解を深めていない」という現実も踏まえる必要があります。

例を挙げますとマイントピアの東平ゾーンです。昨年、夏・秋の三ヶ月ほどで五千五百人を越える県外観光客が訪れた事がマスコミ各社にも評判になり新聞・テレビで「東洋のマチュピチュ」と報道されました。新居浜在住20年を超えるあるご婦人は新聞報道で初めて東平の存在を知って、その日さっそく自家用車で見学に行ったそうです。

結婚がご縁で新居浜に住まわれた彼女にとっては昨年の新聞報道は新居浜の街を再認識するきっかけになられたという事でしょうか・・・こういったきっかけ作りを行政は行政のスタイルで、市民グループは市民のできる形で続けていかなければと思います。

昨年11月に市民有志の発案で開催した「山根大通りストリートミュージアム」は一般市民だけでなく、何人もの市職員の知恵と協力によって多くの市民に喜ばれる催しにすることができましたが、成功の最大のポイントは二百人を超える市民・住民が、鷲尾勘解治氏が説いた「作務」の心で催しのスタッフを務めていただいたことだと思います。

自分自身が生まれ育った街の歴史を大切に思う心、この街を誇りに思う心がなければ、どのような産業遺構があっても、いかに立派な産物があっても他人の心には響かないと思います。

ですから新居浜の子どもたちには是非新居浜の街の歴史を「日本の近代化に貢献した街」「公害克服に戦ってきた街」としていろいろな側面から学習して欲しいと思います。

教育長にお尋ねいたします。

伊庭貞剛の植林についてはどのように子どもたちは学んでいるのでしょうか?

別子山の「中七番フォレスターハウス」は学校教育で利用されているのでしょうか?

東平の「銅山の里自然の家」の小・中学校での活用はどれほどでしょうか?

歴史街道としての往還

常夜灯

新たな切り口と温故知新

自転車道としてよみがえる下部鉄道

質問の初めに申し上げたベクトルという言葉にかけて提案があります。別子銅山の産業遺構群は南の旧別子から北の四坂島まで南北四十数キロメートル、標高差千数百メートルに渡りますが、この南北を貫く歴史街道が新居浜市内に残る「登道」です。古くは「往還」とも呼ばれていました。

もちろん往還とは大通りを意味する古い言葉で日本各地に往還という名称を冠した街道がいくつも存在しました。

「登道」「中筋街道」「あかがねのみち」いずれもが同じ道をさしている言葉です。

その中で昔、新居浜の海の玄関口だった「口屋」から

「端出場・東平・別子」を一本につなぐ道をイメージさせる言葉は平成になって命名した「あかがねのみち」となるのですが・・・

古くは仲持ちさん達が3枚あわせて約45キロもある粗銅を背負って歩いた街道を表現するには「往還」、往還道の呼び名がよりしっくりとなじむように思います。

新居浜の歴史街道としての「往還」を復活させようとの思いで現在市民グループが別子銅山文化遺産課のご意見もいただきながら

新居浜市民自身の銅山の歴史再認識のムーブメントになれば良いとの思いをもって、

市内の伊予銀行各支店長のご協力を頂いてそれぞれの支店の内で「往還」の歴史を振り返るパネル展を開催しています。

まちおこしでまず重要なのは市民自身の「やる気」です。

組織としての行政にあってはそのやる気を支援する対応を!

そして、個人としての行政マンには同じ市民としての協力を期待したいと思います。

佐々木市長にも市長の立場においても、佐々木龍さん個人の立場においてもご協力いただきたいのですが、いかがでしょうか?ご意見をお聞かせください。

次に別子銅山の産業遺構を現在に生かす施策として市が取り組まれている鉱山鉄道跡の自転車道の整備について提案があります。

現在の計画では自転車道整備の南の端は山根大通りへの取り付きまでのようですが・・・その先の計画は有るのでしょうか?

山根大通りを超え角野小学校の南にある沈殿(山根収銅所)の入り口近くまで自転車道を整備してはいかがでしょうか?

山根大通りには自転車が走れる幅員の歩道が整備されていない点、角野小学校近くの鉱山鉄道跡まで自転車道が延びれば国の有形文化財登録に認められた山根グランドの観覧席と同様に作られた角野小学校運動場の石組みの観覧席の前を通り生子橋、別子銅山記念館周辺へと自転車による歴史探訪コースになります。

過って新居浜は自転車の街として有名でした。今もその名残を見る事はありますが、近年、自転車はエコロジーな移動手段として再評価されています。新居浜の歴史を学ぶ来訪者にJR駅前、惣開、山根などの市内要所で自転車を貸し出して歴史探訪していただくのも良いアイデアと思うのですがいかがでしょうか?

市長のご意見をお聞かせください。

(2)安全・安心のまちづくり

安全・安心をもたらすもの

地域の絆

地域コミュニティー再生

教育の再生は学校だけではできない

学校支援地域本部

下記とは違う「空き屋」対策 −尾道空き屋再生プロジェクト−

防犯・防災の観点からの「空き家」対策

昨日の真木議員の質問と重複いたしますが、「空き家」「廃屋」対策について質問いたします。

「空き家」の活用といった発想ですと現在注目されている『尾道空き家再生プロジェクト』などがありますが・・・

今日の私の質問は、防犯・防災の観点からの「空き屋」「廃屋」対策です。

乾燥注意報が続いたこの冬には、連日の火災発生という事態があり消防職員や各地区の消防団の皆様のご苦労は大変なものがあったと思います。まことにご苦労様です。

そんな中、火災予防活動の一環として市内に数多くある「空き屋」や「廃屋」の点検に巡回活動を実施したと承知しておりますが、

現在市が把握されている「空き屋」「廃屋」の状況はどのようなものなのでしょうか?

「空き屋」といっても住人の入院等による一時的なものや管理が充分されているものもあるかと存じますので、防犯・防災上問題があると判断される家屋についてその数や地区内の分布状況などお教えください。

また、地域住民や自治会との連携による防災・防犯上の対策といったものはお考えでしょうか?

そして行政サイドの対応として放棄されているとしか見えない廃屋などについて何らかの対処はできないものでしょうか?

近隣住民からの安全面・衛生面からの要望等も届いていると思うのですがいかがでしょうか?

これまでの対応事例や行政サイドから見ての問題点等、具体事例なども含めお教えください。

(3)循環型社会の構築

環境保全の先進地にいはま、エコのまちにいはまを大いにアピールしましょうとの提案はすでにいたしましたので、この項では施政方針の序文で佐々木市長が触れられた「昨年6月にスタートしたレジ袋の無料配布の中止」について、踏み込んだ評価・今後の施策についてお伺いいたします。

レジ袋無料配布廃止に賛同され実行に移された

地元食品スーパーチェーンの木村チェーンやママイ・バリュー各店、スーパーフジ、イオンの食品部門の誠意に感謝するとともに劇的ともいえる変化を見ることになったマイバッグ・買物袋の持参率に感心するのですが、

今回のレジ袋無料配布廃止に参加しなかった香川県本社の2社5店舗のスーパーマーケットに対してこれまでの9ヶ月間どのような働きかけをされているのでしょうか?

もちろんドラッグストア、コンビニエンスストアなど他の業種への参加働きかけも必要ですが・・同じ業種で特に価格競争の熾烈な大手食品スーパー間の不均衡をレジ袋無料化廃止の主導的立場をとられた新居浜市として看過すべきではないと存じます。

レジ袋無料配布の廃止に賛同しがんばっているかたがたに具体的な応援をするべきと思うのですが・・市長のお考えをお聞かせください。

(4) 新居浜市地域水道ビジョン

水道会計

新居浜市地域水道ビジョン

現在策定作業が進められている新居浜市地域水道ビジョン(H22〜H32)の審議の中で将来の水道料金の値上げについての論議が遡上にあがったことを市長はご存知ですか?

水道局担当課や水道ビジョン策定にかかわっているコンサルが提示されたデーターをそのまま見れば「当然」出るべきして出る議論ではあるのですが・・このデーターには瀬戸寿水道問題の解決は織り込まれているのでしょうか?

今回の質問で言うデーターとは、とりあえず「水道事業収益と費用の動向」と「給水原価と供給単価の動向」の二つをさしています。

「水道事業収益と費用の動向」を示すグラフでは平成28年での赤字を予測しています。「給水原価と供給単価の動向」にいたっては、平成23年度以降は給水原価が供給単価を上回ると見込んでいるではないですか!

この予測データーを市長はどう受け止められているのですか?

佐々木市長が施政方針の中に瀬戸寿水道問題の早期解決を明言されてから何年経つのでしょうか?そしてその後市長自らは解決のために何をされたのですか?また、昨年に設置したと本年の施政方針におっしゃった「新居浜市瀬戸寿上水道問題検討委員会」は

昨年一年どのような解決に向けての「実績」を上げたのですか?お聞かせください。

(5)健康づくりと高齢者福祉の充実

先年、急傾斜危険地区にその敷地の一部が指定を受け老朽化した施設の立替の必要性とともにその移転先が憂慮されてきた養護老人ホーム慈光園が現在の立地とほぼ遠くない金栄小学校南に建設される運びとなったことは良かったと思います。ついては隣接する新居浜市土地開発公社が所有する3,479平方メートルの敷地の利用計画と慈光園の入居希望者の見込みについてお尋ねいたします。

慈光園は養護老人ホームですので自立・自活がある程度可能な高齢者の入居施設と理解しておりますが、今回の新築が完了した場合新たな入居可能者は何名でしょうか?また、新たな入居希望者の見込みは何名でしょうか?

次に高齢者の生活環境の整備としては現在、在宅介護制度の整備が課題とされているところではありますが、入所型の老人介護施設の要望も多くありこちらも大きな行政課題と考えるのですが、新居浜市内の各種入居型老人介護施設の待機者・入居希望者の状況はどのようになっているのでしょうか?

先にあげた新慈光園の隣接用地に老人介護施設の新設はお考えにはなりませんか?

都市型のシルバーエリアとして良い立地と考えますがいかがでしょうか? 昨日の西原議員の質問に対する答弁では、児童養護施設「東新学園」の建替え用地にする計画があるようですが・・東新学園の施設のあり方を考えれば他の選択肢もあるとおもうのですが、いかがでしょうか・・・市長のお考えをお聞かせください。

次に福祉施設だけではなく公共施設全般についてですが、新居浜市健康増進計画「元気プラン新居浜21」の中にもうたわれている受動喫煙防止対策についてお聞きいたします。先週の225日にも「厚生労働省」より、公共空間での喫煙は「原則禁止」の通知が出されたとの報道がありました。平成15年の通知の際は「全面禁煙」と「分煙」が受動喫煙対策として併記されていましたが、今回の通知は公共空間での受動喫煙防止対策がより強化される方向を示したものと判断されます。そこでお尋ねですが市が所有もしくは管理されている公共施設内でのタバコの販売は自粛すべきではと思うのですがいかがでしょうか?

新居浜市役所も施設内禁煙を実施して6年を経過しております。禁煙が守られるべき施設内で、タバコが販売されているのはいかがなものでしょうか!

市役所への来訪者や利用者の利便性をいうにしても不可解な状況と考えます。他の新居浜市所有・管理の施設を含め対応をお考えいただきたく存じます。ご答弁よろしくお願いいたします。

(6)子育て支援と非婚率

子育て支援も大事だが非婚率にも目を向けよう

家族を持たない。もしくは持てない選択をせざるおえない社会環境

新居浜市でも行政として「婚活」に関わってはいかがでしょうか?

最後に一見軽そうに聞こえるけど実は重たい提案をさせていただきます。

新居浜市でも行政の取り組みの一環として「婚活」に取り組まれてはいかがでしょうか?

市長の施政方針に「子育て支援」はありましたが「婚活」については触れられていませんでした。国や県がすでに音頭を取っているからでしょうか?

 

「シングルライフを楽しむ」今でもたまに耳に致しますが・・・それはそれ個人それぞれの価値観だからなどといっている場合ではないようです。

一昨年来、愛媛県では県が音頭をとっての「婚活」、結婚の勧めが始まりました。

私は正直申し上げて、当初「婚活」事業に行政が関わるのはいかがなものか・・・との思いを持っていたのですが・・どうやらそれは私の認識が間違いだったようです。

その後の日本の人口統計や社会状況の解析を読むにつけ、今の日本は従来の行政対応ではどうしようもない事態に入りつつある・・もしくは危険な事態に入っている。そう考えるべきではないかと思えるようになりました。

大きくは地域コミュニテーの「絆」の喪失、教育現場の混乱要因の増加といった現象に現れているといえます。

議論を広げないで、なぜ「婚活」なのか・・・少し絞った質問の組み立てに戻します。

 

生涯未婚率という用語があります。非婚率という言葉も最近耳にしました。

生涯未婚率は人口学上の概念で50歳時点での未婚率を言うそうです。女性なら結婚しても子どもができる可能性が極めて低くなるので、そう定めたようです。男性でも50歳以上での結婚は少ないと言えます。

最近放送されたNHKスペシャル「無縁社会−無縁死 3万2千人の衝撃− 」では「2030年の生涯未婚は女性で4人に1人、男性で3人に1人」との予測がナレーションされていました。衝撃的な数字です。

市長はこの予測をどのように受け止められますか?

 

2009年版の高齢社会白書によると、同居の家族介護者の28%が男性です。続柄でみると、一番が夫、2番が息子です。男性・女性の性別による役割を云々するのではありません。

その点は誤解の無いように申し添えますが、10年ほど前に在職中の高槻市の市長が妻の介護の為に市長を辞職された出来事がありました。

個人の選択として敬意を表します。しかし、これは『家族愛の美談』とだけ受け止めてはならないと思いました。

私が高齢社会白書を持ち出したのは、家族の範囲が小さくなっている。家族が核家族化・少人数化している上に、今 現在の日本社会で非婚率の高まりがあるという点です。

そんな社会状況の中で、先の質問で触れましたように高齢者介護の受け皿として家庭・家族へのシフトが進められようとしている。社会状況の変化と国の政策とのミスマッチがおきようとしている・・・もしくはおきている!

「家族の絆」や「地域の絆」を云々する前に、家族の中のマンパワーの減少が起きている。家族を持たない人が増えていく・・・

現在の少子化傾向の上に、さらに結婚を選択しない男女の割合が増えているとしたら・・・結婚は個人の選択の自由、するしないは個人の勝手などと行政が何の方策も打たずにいてよいのだろうか?・・・これは「疑問」ではなく私自身が感じた将来の日本への「不安」です。

以上のような社会動向を、佐々木市長はいかが思われますか?「婚活」については施政方針には無かった事柄ですが、市長のお考えをお聞かせください。

以上